期待外れの『クラナッハ展』
ボクは、クラーナハという文字面で記憶していた。
「ッ」の促音のイメージより、「-」の棒引きの見た目のほうが、この画家の画風には、似合っていると、勝手に思うのだが。。。。。
実は、ボク、この画家のことが、高校生の頃から気になっていた。
教科書に載っていた『ルター』の肖像画のせいだ。
あの沈鬱な、冷たく、息を殺したような静謐が漂う画風が、気になってしょうがなかったのだ。
明らかに、南のボッテチェリのヴィーナスとは異質な絵。ボクは、クラーナハから、ゲルマンの几帳面さを感じ取っていた。
さて、ではこの展覧会、いや(本物が来ているとしてだが)絵がどうであったかである。
割と、よくなかった。
画集で鑑賞したほうがいい画家の一人だ、クラーナハは。
東京芸術大学の『シュスタコーヴィッチ8番』
東京芸術大学の『シェスタコーヴィッチ 8番』は、よかった。
ボクは、無類のシャエスタコ贔屓なのだ。『
弦楽四重奏8番』『ヴァイオリン協奏曲1番』『ムチェンス郡のマクベス婦人』『交響曲9番 15番』などが、大好きである。
そんな中でも飛びぬけて好きなのが、この『交響曲8番』。
単純な音が、ここまで大シンフォニーになるのかと、いつも感心!
音楽そのものを褒めるのは、これぐらいにしよう!
東京芸大は、実に上手い。
高関健という指揮者であった。
知らない指揮者であるが、ここまで大学生を引っ張ったのだから、
凄いのだと、思った。
同日に聴いた、時任康文指揮、武蔵野音大 『シェーラザード』はいただけなかった。
ブリテン『ベニスに死す』 160
- アッシェンバッハ…ハンス・シェプフリン
- 旅人、他………スコット・ヘンドリックス
- アポロの声…………………カルロス・メナ
- 旅行窓口の英国人受付…リー・メルローズ
- ヴェネツィアのガイド…リー・メルローズ
- タジオ………………………ウリ・キルシュ
- 物乞いの女…クラウディア・シュナイダー
- ポーター………………ジョゼップ・ルイス
- 刺繍売り……………ファビオラ・マジーノ
- 給仕………………エンリク・マルティネス
- 物売り……………ベゴニャ・アルベルディ
- 指揮…………セバスティアン・ヴァイグレ
- リセウ劇場オーケストラ 合唱団
- 演出…‥‥‥ヴィリー・デッカー
- 美術…ヴォルフガング・グスマン
- 衣装…ヴォルフガング・グスマン
- 照明……ハンス・テールステーデ
- 振付………アトール・ファーマー
劇場での『ベニスに死す』。
ブリテンの音は、海の臭いがして、この本によくあっている。
日本風(と言うか日本音を真似た)の旋律が、初老の男の、研ぎ澄まされた感性と自負、と、美と若さへの劣等感と敗北感という、屈折した両面をよく描写していた。
タジュは、もう少し美少年を使うべき!