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『ゲイ術 三昧の日々』

このブログは、管理人(ゲイです)の『オペラ』に関する個人的な備忘録です。そして、もう一つ、日々の感慨の記録です。

2014年度の後半は 川端康成に浸った。

川端文学は、僕個人の思いでは、 高校生の頃の、いささか病的な、痛んだ心の琴線に、 よく和して響きあっていた世界だなぁ〜、となる。 あの頃は、川端の幻想的な映像世界に惑溺していただけだった。 が、今となれば、登場人物の、屈折した気持ちや行動を、…

三島作品は、面白くない!

僕の高校生の時間を、塗り固めていたのは、ヴィスコンティーと三島由紀夫でした。 貧乏人のゲイが、貴族趣味に身を浸すといった、典型的パターンです。 そんな三島フリークであった僕が、30歳を過ぎたころから、なんとなく三島由紀夫の作品に嫌気を感じ始…

谷崎潤一郎の『夏菊』

谷崎の三番目の奥様である松子夫人は、根津商店と言う大店の御寮さんでした。 谷崎と松子夫人のお揃いの、有名な2ショットです。 松子夫人は谷崎との結婚の前に、大阪の豪商根津商店の主人との間に、一男一女をもうけています。 しかし、根津商店は倒産し、…

やはり三島由紀夫の描く人物は不自然 『サド侯爵夫人』

サド侯爵夫人 ルネ 新妻聖子モントルイユ夫人(ルネの母) 剣幸アンヌ(ルネの妹) 佐古真弓シミアーヌ男爵夫人 福井裕子サン・フォン伯爵夫人 椿真由美シャルロット(召使) 米山菜穂 三島の『サド侯爵夫人』の舞台録画を観た。 聞いたことのない役者ばかり…

偉大なる叙事詩『イリアス』

「怒りを詠え。女神よ。ペリウスの子、アクレスの怒りを。」と格調高く始まる『イリアス』。 言わずと知れた大叙事詩で、紀元前8世紀頃のギリシャの詩人ホロメスが作った、あるいは吟じたと言われている。 このホロメス、実在の人物かどうかも、よく判って…

ミゲル・デ・セルバンティスの『ドンキホーテ』

セルバンテスは、日本で言えば、戦国時代から江戸時代に移る頃と同時代の人である。 シェークスピアとも同時代の人で、同じ日に死んだと言われるが、それは間違っているらしい。 カトリックの暦(グレゴリオ暦)と、イギリスの暦は違うからだ。 ところで、セ…

やはり語らないわけにはいかない『失われた時を求めて』

『失われた時を求めて』の全巻を¥13000-ぐらいだったか、大学のコープで購入したのは、今から30年も前です。 大学時代、何度も挑戦しましたが、結局読み進めることができず、完読できたのは30代の後半だったと思います。半年かけて読みました。 ナ…

谷崎潤一郎『春琴抄』の調べ

日本の小説家で、文句なく一番なのは谷崎潤一郎でしょう。 これは、相当の自信をもって言えます。 あらゆる角度から語ることができる大作家です。 ここでは、『春琴抄』の文章の美しさについてお話します。 日本には短歌をいう、ことばの音楽があります。 五…

トーマス・マン『ヴァイマルのロッテ』

マンの小説世界は、わたくしの大学時代を染め上げていました。 不気味なユーモアセンス。 自虐的であると同時に高踏的なテーマ。 『芸術』(根性)と『市民』(根性)の葛藤。 貴族的で保守的なブルジョア趣味。 回りくどい屈折した文章。 皮肉タップリの狂…

トーマス・マン『ファウスト博士』

ヨーロッパでは『ファウスト』は、日本の『桃太郎さん』のように扱われていたらしい。 当然、あのゲーテも『ドクトル・ファウスト』の人形劇(旅回り一座)を子供の頃に観て、あの偉大な戯曲を書いたのです。 子供からお年寄りまで、ヨーロッパ(特にドイツ…

『夜明け前』のすさまじい文体

島崎藤村の初期には、ややシャベリ過ぎ意気込み過ぎの、若気の至りの作品がある。 しかし、『千曲川のスケッチ』や『若菜集』を読めば分かるが、若いころから文章の叙情の可能性を分かっていた、そんな作家である。 叙情といえば、ノーベル賞作家 川端康成が…