『The Sun』と比較して、映画『終戦のエンペラー』を観る。
『終戦のエンペラー』は、ハリウッドが描く日本が舞台の映画です。
これだけ情報が浸透した時代です。
時代考証の相談にのってくれる人も、アメリカで、すぐ見つかるはずです。
それなのに、相変わらずの中途半端な日本の描き方をしている映画でした。
ハリウッドの『手抜き』にガッカリです。
とにかく、安っぽいラブストーリーを絡めて、天皇の戦争責任を描いていているので、『竹に木を繋いだ』ような映画になっていました。
ヒューマニズムやラブロマンスを映画に絡めると、バカでも何か分かったような錯覚を与えることができ、多少お知恵がなくても、ウンチクを語れます。
しかし、そもそもヒューマニズムやラブロマンスは、支配欲や種の保存本能に根差した幻影です。
そんなことを知っている人間には、安易に逃げて手間を濁す、この手の映画の、手法が気持ち悪くてしょうがないのです。
それに引き換え、『The Sun』は、天皇の君主としての悩みと人間としての欲望が描けていて、申し分ない映画でした。
画像も、圧倒的に美しい。
『The Sun』は、大満足の映画でした。