これがラモーか、素晴らしい!『イポリートとアリシ Hippolyte et Aricie』 141
『イポリートとアリシ Hippolyte et Aricie』 2013/9/21
ジャン=フィリップ・ラモー/Jean-Philippe Rameau(1683~1764)
初演:1733年10月1日、パリParis,王室音楽アカデミー/The Academie Royale de Musique
パリ国立オペラ[ガルニエ宮]Op ra National de Paris [指揮]エマニュエル・アイム [演奏]ル・コンセール・ダストレ[演出]イヴァン・アレクサンドル [出演]サラ・コノリー、アンヌ=カトリーヌ・ジレ
音楽理論家としてすでに高名であったラモーが50才になって初めて発表したオペラが「イポリートとアリス」。満を持して作曲したらしい。
フランスオペラの伝統(序曲、プロローグ、5幕もの)を踏まえながらも、書き尽くせる限りの音楽表現が盛り込まれ作品。
「オペラ10曲分の音楽」と評され革命的オペラと目された。
発表当時は批判されることも多かったらしい。
今日は再評価され、削除された部分も見直されて演奏されている。美しいアリアの数々は言うに及ばず、歌唱不可能と言われた「運命の神々のトリオ」やエンターテナー性の高いディヴェルティスマン(踊りや歌のパフォーマンス)は3幕と5幕に挿入され、その音楽性の高さ豊かさは、ラモーの最高傑作と評価されている。
ラモーは、リュリの次の世代の作曲家。
リュリに比べて、現在の我々が感じる不自然さが、少なくなっていた。
飽きない音楽の洪水。相当な才能である。
高校の音楽の教科書には、バイオリン(?)を抱えたラモーの肖像画が載っていたように記憶している。ヒステリックで神経質そうだった。
リュリは、教科書に載っていなかった。
やはりそれだけの差はあるんだと、このラモーのオペラを観てよく分かった。
凄い、進歩。進歩もさることながら、ラモーは天才だね。
観た舞台もよかった。
幻想的な演出に、バロックオペラの身振り化粧、照明、仕掛けを取り入れ、多分、作られた当時も、似たような雰囲気だったのかなぁ、と想像した。
キューピットの役柄がまたよく、作品にいいアクセントを添えていた。
指揮するアイムの逞しい腕がいいねぇ!