10月に、久々に見たヴィスコンティ3本 そして老い
管理人の高校時代から大学時代は、ヴィスコンティ狂いの時期でした。
と言っても、田舎の少年の管理人が、ヴィスコンティの映画を観ることは、非常に困難なことです。
ですから、ヴィスコンティ絡みの書籍や写真集で、華麗な映像の想像を膨らますのがやっとのことでした。
初めて、ヴィスコンティの映画を映画館の大画面で観たのは、大学受験で大阪に出た時でした。
思い起こせば、高校卒業の時、父親のギャンブル好きから管理人の家は、貧乏のドン底を味わっていました。
一家心中のその間際、どうやってお金を作って大阪のホテル(確か堂山の東急インだったと思います)に泊まれたのでしょうか。
それは今では思い出すことすらできません。
18歳の管理人は、家がゴタゴタしていたので、勉強なんかしていませんでした。
ですから明日受験する、大阪の私立大学に合格できるとは思ってもいませんでした。
合格できても、入学金なんか用意できないことも分かっていました。
18歳は18歳なりに、心を痛めていました。
夕方になって、管理人は、ホテルを抜け出し、梅田の映画館に行ったことを覚えています。
明日の受験なんかどうでもいいや、そう思って自暴自棄で映画館に行ったのです。
そして観たのが、『ルードウィヒ 神々の黄昏』でした。
ラストでは、湖水から引き上げられたルードウィヒ王の死体をバックに、タイトルロールが流れました。なぜか、あのシーンをよく覚えていました。
今、観て、このラストシーンは、本当に素晴らしいと思っています。
大学受験から30年が経過しました。
どうにかこうにか生きてきて、劇場・ビデオ・DVD・ブロードウエイ配信と、様々なメディアでヴィスコンティを見漁りました。
それも、繰り返し繰り返し。
最近では、『ルードウィヒ 神々の黄昏』『イノセント』『地獄に落ちた勇者ども』の3本を、鑑賞しました。
『地獄に落ちた勇者ども』
イングリッド・チェーリンの演技。
若い頃、あまりピンと来ていなかったが、狂気の雰囲気がよく出ていて、面白く思いました。これが、今回の鑑賞の唯一の成果です。
大人になると、いろいろ分かってきますねぇ。
管理人が一番好きなヴィスコンティの作品は、『ボッカチオ80』の『仕事中』です。
さりげないストーリーが、サラリッとすすみます。
ロミー・シュナイダーの美貌と演技が、輝いているショートストーリーです。
昔、ビデオテープを持っていたのですが、どこかでそのビデオは捨てました。。。。。。
この映画に出ていた輝かしい美貌の役者たちも、老けました。
インターネットを漁っていたら、現在のヘルベルト・バーガー、ビョルン・アンドレセン、ジョン・モルダー・ブラウンの最近の画像がありました。
若き日の顔(かんばせ)と比べながら、鑑賞してください。