根津美術館 『井戸茶碗』 に行った。
ボクは、10年以上、茶道をやっています。
茶道も、一種の宗教と同じで、家元を頂点とした『夢・幻を売る、実体のない商売』と信じています。
ですから、詐欺まがいの片棒を担ぎたくなく、また担がれたくないので、○○流とか○○家とかで、お茶はしたくないのです。
実体のない商売って、大嫌い!
そんな日々の中、サルご縁で、アルお茶の先生に出会いました。
その先生は、武者小路千家の師範です。
結局、○○流派のお茶をやるのですが、幸運にも、まったく商売っ気のない先生に知り合うことが出来たので、詐欺商売の幻覚からは逃れていれる安心感が、今のボクのお茶の支えになっています。
本当に、それだけと言い切っても過言ではないです。
お茶会の会費を取ることさえ、遠慮されるお人柄の先生なのですよ。
この先生に習う前には、小さな流派のお家元の直弟子もしていたのですが、最終的にはいろいろなことに、?????、の連鎖反応と相成りました。
先生を選ぶことは大変です。
先生になることも、大変です。
そして、ボクのような気むつかしい生徒がいれば、先生であり続けることも、本当に大変なことです。
ところで、ボクは、『井戸茶碗』が大好きなのです。
↓は、ボクの愛用の萩の井戸茶碗です。
手に入れるまでは、夢まで見た茶碗です。
根津美術館は、非常に優れた美術館であると、前から高く評価しています。
その根津美術館で、『井戸茶碗』の展覧会がありました。
いてもたってもいられなくなり、最終日の二日前に有給をとって、伺ってきました。
下に挙げた名品以外にも、『六地蔵』や『柴田』なども出ていて、よくここまで一堂に集めたものだと、感心一入でした。
喜左衛門
細川
越後
有楽
ボクは、国立博物館の『有楽』と、静嘉堂の『越後』を、特に気に入っていたのですが、今回の美術展で順位は様変わりしてしまいました。
『有楽』と『越後』。
この2碗は、どうやら、東博や静嘉堂の照明下で、ボクのお気に入りであっただけのようです。
茶道具って、照明一つで違ったものに見えてしまうのですから、デリケートですよね。
国宝や、重要文化財、重要美術品は、茶碗に限って言えば、個性のないものばかりだなぁ、と思いました。
まあ、癖がないので一級品なのでしょうが、何か物足りない感覚を抱きました。
ここで、今回の展覧会で発見した、ボクの感性にビビッとあった、7碗を紹介します。
①『青井戸慈照寺 慈照寺』 独特の青白い釉薬 が素敵。金継の様もいい。
②『青井戸涼及 根津美術館』 深いブルー 。いい色。 金継もいい。
③『青井戸少庵 ミホ美術館』 小ぶりで、シミの感じもいい。
④『上林 三井記念美術館』 枇杷色の地に、青白い釉薬がかかり、火間との間隔もよし。
④『老僧 藤田美術館』そのシミの感じがいかにも老僧。
⑤『玉水 大光明寺』 大振りで、点てやすく飲みやすそう。
⑥『堀 個性蔵 』斜めの口縁がいい。
ところで、この展覧会で、一際、ボク心に残ったのが、『大友 宗麟 嶋井宛書状 』でした。
宗麟は、すごい達筆でした。