『ゲイ術 三昧の日々』

このブログは、管理人(ゲイです)の『オペラ』に関する個人的な備忘録です。そして、もう一つ、日々の感慨の記録です。

イッテいる映画、『神々の深き欲望』

今村昌平の『神々の深き欲望』を観た。 凄い映画であった。 気難しいこのボクを、完全完璧に画面に縛りつける映画なんて、そうそうないのだ。しかし、この一本には呪詛のような力があり、ボクをソファーに凍らせた。 話の展開の緩急にも、高度な統一感があり…

○○年、聴き続けての、愛するクラッシク音楽 オペラ BEST 10

演奏家によって、音楽の『良し悪し』が左右されるのは、事実です。 ただ、ボクは、カタナカのややこしい聞きなれない名前を覚えるのが苦手である。 さらに追い打ちをかけるのが、ボクの面倒くさがる気質。 ややこしいカタカナの名前を、キリなく(次から次へ…

『幕末太陽傳』 みんな若いねぇ〜。死んだ人、ばっかりだけどネ!

監督:川島雄三 フランキー堺 南田洋子 石原裕次郎 左幸子 小林旭 菅井きん 山岡久乃 金子信雄 小沢昭一 殿山泰司 岡田真澄 二谷英明 西村晃 幕末の、宿場(品川)遊郭の雰囲気が、上手く明るく描かれていた。 リズミカルで支離滅裂な展開も、落語が元のスト…

バーンスタインの『キャンディード Candide』 153

作曲:レナード・バーンスタイン/Leonard Bernstein(1918~1990)原作:冒険諷刺譚「カンディード或いは楽天主義説/Candide, ou l'Optimisme」フランス語 初演:旧版1956年12月1日,ブロードウェイ/Broadway,マーティン・ベック劇場/Martin Beck Theatre、 新版…

久しぶりにオペラ 『ポーギーとベス』 152

『Porgy and Bess』 ジョージ・ガーシュウィン George Gershwin(1898-1937) 初演:1935年9月ボストンのコロニアル劇場 ポーギー:ウイラード・ホワイトベス:シンシア・ヘイモンクラウン :グレッグ・ベイカーセリーナ:シンシア・クラーリクララ:ポーラ・…

自由学園 朝日館の美

旧帝国ホテルを設計した、フランク・ロイド・ライトの作品。 彼の様式は、プレイリースタイルと言うらしい。 草原様式と、訳すのだそうだ。 扉や、窓の意匠が、飛び切り綺麗だった。 色調も、いい。

元旦に、観た、映画、二本

2014年の初日は、岡山で迎えた。 岡山は、東京に比べたら、刺激は少なく、時間がいつまで経っても、減りません。 朝から、映画の日にかこつけ、暇に任せて、映画を二本、観てきました。 田中光敏の監督の『利休にたずねよ』は、熊井啓の『本覚坊遺文』や…

2013年から、2014年の、『行く年、来る年』

2013年から2014年の移り変わりは、実家で、母と二人で過ごしました。 母が作ってくれた『年越しソバ』です。 岡山が実家なので、蕎麦文化でないため、東京で食べるようなお蕎麦ではありません。 近くの仕出し屋であつらえた、おせち、です。 味はよ…

2013年 12月に観た映画

その昔、『木下恵介アワー』という番組がありました。 木下恵介プロディース一時間ものドラマです。 物凄い幼子であったボクには、死ぬほど退屈な番組でした。 その印象があってか、木下恵介には、いいイメージがなかったのです。 が、たまたま先月に見た『…

根津美術館 『井戸茶碗』 に行った。

ボクは、10年以上、茶道をやっています。 茶道も、一種の宗教と同じで、家元を頂点とした『夢・幻を売る、実体のない商売』と信じています。 ですから、詐欺まがいの片棒を担ぎたくなく、また担がれたくないので、○○流とか○○家とかで、お茶はしたくないの…

2013年 11月に観た映画

『カルメン故郷に帰る』木下恵介:監督 高峰秀子 『カルメン純情す』木下恵介:監督 高峰秀子 『犬神家の一族』市川崑:監督 石坂浩二 高峰三枝子 『炎上』市川崑:監督 市川雷蔵 『午後の遺言状』新藤兼人:監督 杉村春子 乙羽信子 朝霧鏡子 『第三の影武者…

ルードリッヒⅡを気取って『タンホイザー』

ワーグナー:『タンホイザー』全曲リセウ大劇場交響楽団&合唱団 セバスチャン・ヴァイグレ(指揮)演出:ロバート・カーセン 装置:ポール・スタインバーグ 衣装:コンスタンス・ホフマン 照明:ロバート・カーセン、ペーター・ヴァン・プラット振付:フィ…

ヴィスコンティの影響で、ワーグナー2本 150 151

ヴィスコンティの影響で、ワーグナが聴きたくなり、ルードリッヒを気取って観てみました。 ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』全曲トリスタン:ルネ・コロ(テノール)ヴァーグナー作曲の歌劇・楽劇における英雄的な役どころを演じるのに適した声質を…

10月に、久々に見たヴィスコンティ3本 そして老い

管理人の高校時代から大学時代は、ヴィスコンティ狂いの時期でした。と言っても、田舎の少年の管理人が、ヴィスコンティの映画を観ることは、非常に困難なことです。ですから、ヴィスコンティ絡みの書籍や写真集で、華麗な映像の想像を膨らますのがやっとの…

やはり三島由紀夫の描く人物は不自然 『サド侯爵夫人』

サド侯爵夫人 ルネ 新妻聖子モントルイユ夫人(ルネの母) 剣幸アンヌ(ルネの妹) 佐古真弓シミアーヌ男爵夫人 福井裕子サン・フォン伯爵夫人 椿真由美シャルロット(召使) 米山菜穂 三島の『サド侯爵夫人』の舞台録画を観た。 聞いたことのない役者ばかり…

やっと見たモーツアルド『後宮からの逃避』 149

Wolfgang Amadeus Mozart(1756〜1791)ジングシュピール(歌芝居)KV384後宮からの逃走(後宮からの誘拐)Die Entfuehrung aus dem Serail初演:1782年7月16日ウィーン・ブルク劇場 26歳オーストリア皇帝ヨーゼフ2世に対する、モーツァルトなりの一…

黛敏郎『金閣寺』 そして市川雷蔵の『炎上』 148

作曲:黛敏郎(1929〜1997) 原作:三島由紀夫指揮:岩城宏之 演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 合唱:東京混成合唱団 1991年3月8日 オーチャードホールライヴ 黛の音楽は、総じて好きなのである。この『金閣寺』も、いいオペラである。 ただ、や…

またまた パゾリーニ そして映画の、顔と化粧について

パゾリーニの映画が特出していることは、物語が絵空事であっても、役者がリアルなところです。『奇跡の丘』のキャストの顔を観て下さい。まず、若い頃のマリア。 中世イタリア教会の壁に描かれているような顔だと思いませんか? イエスの顔。 神経質そうな、…

パゾリーニ三昧の休日

高校生の頃、パゾリーニが『ソドムの市』を撮り終わり、公開間近と知ったのは、父親の『大人の雑誌』の盗み読みからでした。 非常にオマセであったボクは、同性愛やSMは当然のこと、スカトロジーも理解できていました。(残念ながら、スカトロの趣味を持つほ…

ラモー 『カストールとポリュックス Castor et Pollux』 147

『 カストールとポリュックス Castor et Pollux』作曲:ジャン=フィルップ・ラモー Jean-Philippe Rameau(1683~1764) 初演:初稿版1737年10月24日、改訂版1754年6月8or11日、パリ/Paris,王立音楽アカデミー/Academie Royale de Musique指揮:クリストフ・ル…

ラモー最晩年の作品・忘れられていた作品『レ・ボレアド Les Boreades』 146

『レ・ボレアド Les Boreades』作曲:ジャン=フィリップ・ラモー/Jean ?Philippe Rameau(1683~1764)初演:1964年10月、フランスのラジオ放送局。 舞台初演1982年7月、エクサンプロヴァンス音楽祭。 総監督:ユグ.R.ガル 演出:ロバート・カーセン 振付:エ…

こう言う演出は好きだ 『プラテー Platee』 145

『プラテー Platee』 ジャン=フィリップ・ラモー/Jean-Philippe Rameau(1683~1764) 初演:1745年3月31日、ヴェルサイユ/Versailles、ラ・グランド・エキュリ(大厩舎)/Theatre de la Grande Ecurie指揮:クリストフ・ルセ 演奏:レ・タラン・リリク 国立ライ…

久々のグルック 『エコーとナルシス Echo Et Narcisse: Jacobs』 144

「エコーとナルシス Echo Et Narcisse: Jacobs 」 グルック (1714-1787)ルネ・ヤーコプス指揮 コンチェルト・ケルン ハンブルク歌劇場合唱団 ゾフィー・ブーラン,デボラ・マーセル,ケルトルト・ホフシュテット,クリスティナ・ヘッグマン,ハンナ・クローゲン,…

映画『切腹』

小林正樹監督の映画『切腹』を観た。 前から気になっていた映画ですが、意味もなく三島由紀夫臭を感じていて、避けていたのです。 ボクは、三島は好きではないのですよぉ。 『憂国』なんて映画は、観ているコッチが恥ずかしくなる。 (三島作品で、『憂国』…

エキゾジックでした『ゾロアストル』 143

ジャン=フィリップ・ラモー/Jean-Philippe Rameau(1683~1764)初演:1749年12月5日(改訂版1756年1月10日)パリ/Paris,オペラ座 指揮:クリストフ・ルセ 演奏: レ・タラン・リリク ドロットニングホルム宮廷劇場管弦楽団・合唱団 舞踊:ジェニー・リンド…

マイブーム ラモー 『レ・パラダン(遍歴騎士)Les Paladins』 142

『レ・パラダン(遍歴騎士)Les Paladins』 142ジャン=フィリップ・ラモー 仏 (1683~1764)レザール・フロリサン(演奏) ウィリアム・クリスティ(指揮) 振付:ジョゼ・モンタルヴォ、ドミニク・エルヴュ演出:ジョゼ・モンタルヴォ ライヴ収録: 2004…

これがラモーか、素晴らしい!『イポリートとアリシ Hippolyte et Aricie』 141

『イポリートとアリシ Hippolyte et Aricie』 2013/9/21 ジャン=フィリップ・ラモー/Jean-Philippe Rameau(1683~1764)初演:1733年10月1日、パリParis,王室音楽アカデミー/The Academie Royale de Musique パリ国立オペラ[ガルニエ宮]Op ra Nation…

完全完璧なバロック舞台の再現、『カドミュスとエルミオーヌ Cadmus et Hermione』 140

『カドミュスとエルミオーネ』2013/9/18 初演1673年 ジャン・バティスト・リュリ Jean-Baptiste Lully(仏1632-1687・伊出身 指揮:ヴァンサン・デュメストル 演奏:ル・ポエム・アルモニーク 舞台監督/バンジャマン・ラザール 舞踏振り付け/ギ…

ヴェルサイユの精華 リュリの『アティス』 139

初演:1676年1月10日 サン・ジェルマン・アン・レイ宮殿(パリ) ジャン・バティスト・リュリ Jean-Baptiste Lully(仏1632-1687・伊出身)台本:フィリップ・キノー指揮:ウィリアム・クリスティ 演奏レザール・フロリサン(フランス・バロックの音楽の魅力…

偉大なる叙事詩『イリアス』

「怒りを詠え。女神よ。ペリウスの子、アクレスの怒りを。」と格調高く始まる『イリアス』。 言わずと知れた大叙事詩で、紀元前8世紀頃のギリシャの詩人ホロメスが作った、あるいは吟じたと言われている。 このホロメス、実在の人物かどうかも、よく判って…