今村昌平の『神々の深き欲望』を観た。 凄い映画であった。 気難しいこのボクを、完全完璧に画面に縛りつける映画なんて、そうそうないのだ。しかし、この一本には呪詛のような力があり、ボクをソファーに凍らせた。 話の展開の緩急にも、高度な統一感があり…
演奏家によって、音楽の『良し悪し』が左右されるのは、事実です。 ただ、ボクは、カタナカのややこしい聞きなれない名前を覚えるのが苦手である。 さらに追い打ちをかけるのが、ボクの面倒くさがる気質。 ややこしいカタカナの名前を、キリなく(次から次へ…
監督:川島雄三 フランキー堺 南田洋子 石原裕次郎 左幸子 小林旭 菅井きん 山岡久乃 金子信雄 小沢昭一 殿山泰司 岡田真澄 二谷英明 西村晃 幕末の、宿場(品川)遊郭の雰囲気が、上手く明るく描かれていた。 リズミカルで支離滅裂な展開も、落語が元のスト…
作曲:レナード・バーンスタイン/Leonard Bernstein(1918~1990)原作:冒険諷刺譚「カンディード或いは楽天主義説/Candide, ou l'Optimisme」フランス語 初演:旧版1956年12月1日,ブロードウェイ/Broadway,マーティン・ベック劇場/Martin Beck Theatre、 新版…
『Porgy and Bess』 ジョージ・ガーシュウィン George Gershwin(1898-1937) 初演:1935年9月ボストンのコロニアル劇場 ポーギー:ウイラード・ホワイトベス:シンシア・ヘイモンクラウン :グレッグ・ベイカーセリーナ:シンシア・クラーリクララ:ポーラ・…
旧帝国ホテルを設計した、フランク・ロイド・ライトの作品。 彼の様式は、プレイリースタイルと言うらしい。 草原様式と、訳すのだそうだ。 扉や、窓の意匠が、飛び切り綺麗だった。 色調も、いい。
2014年の初日は、岡山で迎えた。 岡山は、東京に比べたら、刺激は少なく、時間がいつまで経っても、減りません。 朝から、映画の日にかこつけ、暇に任せて、映画を二本、観てきました。 田中光敏の監督の『利休にたずねよ』は、熊井啓の『本覚坊遺文』や…
2013年から2014年の移り変わりは、実家で、母と二人で過ごしました。 母が作ってくれた『年越しソバ』です。 岡山が実家なので、蕎麦文化でないため、東京で食べるようなお蕎麦ではありません。 近くの仕出し屋であつらえた、おせち、です。 味はよ…
その昔、『木下恵介アワー』という番組がありました。 木下恵介プロディース一時間ものドラマです。 物凄い幼子であったボクには、死ぬほど退屈な番組でした。 その印象があってか、木下恵介には、いいイメージがなかったのです。 が、たまたま先月に見た『…
ボクは、10年以上、茶道をやっています。 茶道も、一種の宗教と同じで、家元を頂点とした『夢・幻を売る、実体のない商売』と信じています。 ですから、詐欺まがいの片棒を担ぎたくなく、また担がれたくないので、○○流とか○○家とかで、お茶はしたくないの…
『カルメン故郷に帰る』木下恵介:監督 高峰秀子 『カルメン純情す』木下恵介:監督 高峰秀子 『犬神家の一族』市川崑:監督 石坂浩二 高峰三枝子 『炎上』市川崑:監督 市川雷蔵 『午後の遺言状』新藤兼人:監督 杉村春子 乙羽信子 朝霧鏡子 『第三の影武者…
ワーグナー:『タンホイザー』全曲リセウ大劇場交響楽団&合唱団 セバスチャン・ヴァイグレ(指揮)演出:ロバート・カーセン 装置:ポール・スタインバーグ 衣装:コンスタンス・ホフマン 照明:ロバート・カーセン、ペーター・ヴァン・プラット振付:フィ…
ヴィスコンティの影響で、ワーグナが聴きたくなり、ルードリッヒを気取って観てみました。 ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』全曲トリスタン:ルネ・コロ(テノール)ヴァーグナー作曲の歌劇・楽劇における英雄的な役どころを演じるのに適した声質を…
管理人の高校時代から大学時代は、ヴィスコンティ狂いの時期でした。と言っても、田舎の少年の管理人が、ヴィスコンティの映画を観ることは、非常に困難なことです。ですから、ヴィスコンティ絡みの書籍や写真集で、華麗な映像の想像を膨らますのがやっとの…
サド侯爵夫人 ルネ 新妻聖子モントルイユ夫人(ルネの母) 剣幸アンヌ(ルネの妹) 佐古真弓シミアーヌ男爵夫人 福井裕子サン・フォン伯爵夫人 椿真由美シャルロット(召使) 米山菜穂 三島の『サド侯爵夫人』の舞台録画を観た。 聞いたことのない役者ばかり…
Wolfgang Amadeus Mozart(1756〜1791)ジングシュピール(歌芝居)KV384後宮からの逃走(後宮からの誘拐)Die Entfuehrung aus dem Serail初演:1782年7月16日ウィーン・ブルク劇場 26歳オーストリア皇帝ヨーゼフ2世に対する、モーツァルトなりの一…
作曲:黛敏郎(1929〜1997) 原作:三島由紀夫指揮:岩城宏之 演奏:東京フィルハーモニー交響楽団 合唱:東京混成合唱団 1991年3月8日 オーチャードホールライヴ 黛の音楽は、総じて好きなのである。この『金閣寺』も、いいオペラである。 ただ、や…
パゾリーニの映画が特出していることは、物語が絵空事であっても、役者がリアルなところです。『奇跡の丘』のキャストの顔を観て下さい。まず、若い頃のマリア。 中世イタリア教会の壁に描かれているような顔だと思いませんか? イエスの顔。 神経質そうな、…
高校生の頃、パゾリーニが『ソドムの市』を撮り終わり、公開間近と知ったのは、父親の『大人の雑誌』の盗み読みからでした。 非常にオマセであったボクは、同性愛やSMは当然のこと、スカトロジーも理解できていました。(残念ながら、スカトロの趣味を持つほ…
『 カストールとポリュックス Castor et Pollux』作曲:ジャン=フィルップ・ラモー Jean-Philippe Rameau(1683~1764) 初演:初稿版1737年10月24日、改訂版1754年6月8or11日、パリ/Paris,王立音楽アカデミー/Academie Royale de Musique指揮:クリストフ・ル…
『レ・ボレアド Les Boreades』作曲:ジャン=フィリップ・ラモー/Jean ?Philippe Rameau(1683~1764)初演:1964年10月、フランスのラジオ放送局。 舞台初演1982年7月、エクサンプロヴァンス音楽祭。 総監督:ユグ.R.ガル 演出:ロバート・カーセン 振付:エ…
『プラテー Platee』 ジャン=フィリップ・ラモー/Jean-Philippe Rameau(1683~1764) 初演:1745年3月31日、ヴェルサイユ/Versailles、ラ・グランド・エキュリ(大厩舎)/Theatre de la Grande Ecurie指揮:クリストフ・ルセ 演奏:レ・タラン・リリク 国立ライ…
「エコーとナルシス Echo Et Narcisse: Jacobs 」 グルック (1714-1787)ルネ・ヤーコプス指揮 コンチェルト・ケルン ハンブルク歌劇場合唱団 ゾフィー・ブーラン,デボラ・マーセル,ケルトルト・ホフシュテット,クリスティナ・ヘッグマン,ハンナ・クローゲン,…
小林正樹監督の映画『切腹』を観た。 前から気になっていた映画ですが、意味もなく三島由紀夫臭を感じていて、避けていたのです。 ボクは、三島は好きではないのですよぉ。 『憂国』なんて映画は、観ているコッチが恥ずかしくなる。 (三島作品で、『憂国』…
ジャン=フィリップ・ラモー/Jean-Philippe Rameau(1683~1764)初演:1749年12月5日(改訂版1756年1月10日)パリ/Paris,オペラ座 指揮:クリストフ・ルセ 演奏: レ・タラン・リリク ドロットニングホルム宮廷劇場管弦楽団・合唱団 舞踊:ジェニー・リンド…
『レ・パラダン(遍歴騎士)Les Paladins』 142ジャン=フィリップ・ラモー 仏 (1683~1764)レザール・フロリサン(演奏) ウィリアム・クリスティ(指揮) 振付:ジョゼ・モンタルヴォ、ドミニク・エルヴュ演出:ジョゼ・モンタルヴォ ライヴ収録: 2004…
『イポリートとアリシ Hippolyte et Aricie』 2013/9/21 ジャン=フィリップ・ラモー/Jean-Philippe Rameau(1683~1764)初演:1733年10月1日、パリParis,王室音楽アカデミー/The Academie Royale de Musique パリ国立オペラ[ガルニエ宮]Op ra Nation…
『カドミュスとエルミオーネ』2013/9/18 初演1673年 ジャン・バティスト・リュリ Jean-Baptiste Lully(仏1632-1687・伊出身 指揮:ヴァンサン・デュメストル 演奏:ル・ポエム・アルモニーク 舞台監督/バンジャマン・ラザール 舞踏振り付け/ギ…
初演:1676年1月10日 サン・ジェルマン・アン・レイ宮殿(パリ) ジャン・バティスト・リュリ Jean-Baptiste Lully(仏1632-1687・伊出身)台本:フィリップ・キノー指揮:ウィリアム・クリスティ 演奏レザール・フロリサン(フランス・バロックの音楽の魅力…
「怒りを詠え。女神よ。ペリウスの子、アクレスの怒りを。」と格調高く始まる『イリアス』。 言わずと知れた大叙事詩で、紀元前8世紀頃のギリシャの詩人ホロメスが作った、あるいは吟じたと言われている。 このホロメス、実在の人物かどうかも、よく判って…