コヴェント・ガーデン 『トスカ』 48
48、『トスカ』 2013/3/13~14 初演 1900年 42歳
プッチーニ(1858~1924)
このオペラの原作は、フランスの劇作家サルドゥの戯曲で、不世出の名女優といわれた、サラ・ベルナールのために書かれたのだった。劇の方は5幕から成る大作だったが、オペラ化に際してジャコーザとイルリカは、台本を3幕に短縮するのに大変苦労したという。全体はアクションの多い、また劇的な起伏に富んだ物語で、確かにジャコーザのいうように、詩情にはいささか乏しいかも知れないが、トスカとカヴァラドッシの純愛もあり、それにスカルピアの横恋慕が加わり、その上殺人と銃殺刑まで描かれるのだから、そのストーリーの多彩さは尋常ではない。そして最後の幕ではスカルピアも、カヴァラドッシも、さらにはトスカも、すべての主要人物が死に絶えるという、何とも残忍非情な結末をむかえるが、これはヴェリズモ(現実主義)・オペラの影響によるものだといっていい。スリルとサスペンス一杯の傑作といえよう。
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団&合唱団 アントニオ・パッパーノ(指揮) 演出:ジョナサン・ケント
デザイン:ポール・ブラウン 照明:マーク・ヘンダーソン
トスカ:アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ) カヴァラドッシ:ヨナス・カウフマン(テノール)
スカルピア:ブリン・ターフェル(バリトン) 堂守:ジェレミー・ホワイト(バリトン) アンジェロッティ:ルカス・ヤコブスキ(バス)
スポレッタ:ヒューバート・フランシス(テノール) 羊飼いの少年:ウィリアム・ペイン(ボーイ・ソプラノ)
収録時期:2011年7月 収録場所:ロンドン、コヴェント・ガーデン王立歌劇場(ライヴ)
安心した。プッチーニは、やはり、いい。やはりいいから、安心したわけです。
音楽に満ち満ちている緊張感もいい。ドラマもいい。やはり、オペラは音楽劇だから、あまりにストーリーが複雑になると、何がなんだか、分からなくなってしまう。
アンジェラ・ゲオルギューは、少しおばさん過ぎる。もう少し、若々しく化粧とか、衣装とかで、誤魔化すことが出来なかったのか!ヨナス・カウフマンはよかった。
舞台と演出はよかった。絵画のマグダラのマリアは、もう少し上手く描いていたほうがいいよ。