新国立 『ランメルモールのルチア』 49
49、『ランメルモールのルチア』 2013/3/14 1835年 初演 38歳
ドニゼッティ(1797~1848)
東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:ステファノ・ランザーニ 藤原歌劇団合唱部
演出:ヴィンチェンツォ・グリゾストミ・トラヴァリーニ
ルチア……マリエッラ・デヴィーア(ソプラノ) エドガルド……マルセロ・アルバレス(テノール)
エンリーコ……レナート・ブルゾン(バリトン) ライモンド……カルロ・コロンバーラ(バス)
アルトゥーロ……中鉢 聡(テノール) アリーザ……エレナ・ベルフィオーレ(メゾ・ソプラノ)
ノルマンノ……樋口 達哉(テノール)
新国立のライヴ録画であった。
新国立も海外のオペラハウスのように、作ればもっとよかったのにと思う。東京文化会館のような感じなので、雰囲気がない。ハリボテでもいいので、ここはゴチャっとワザとらしいぐらいに、内装をすればよかったのに、と思う。
一幕の舞台が、歌舞伎の俊寛の岩場のように思ったのは、日本の舞台だといった先入観であった。
二幕の机の上などがシンプルすぎたが、二幕以降の舞台には満足で、コヴェントガーデンやメトロに負けないようにやってくれたので、安心した。
日本人は繊細な歌い方をする。それだけに西洋人のようなオペラを歌いきるスタミナが感じられない。歌舞伎は日本人がやるのが一番であるようにオペラやバレエは西洋人がやらないとダメである。
『ランメルモールのルチア』そのものは、可も不可もない、安定的なオペラであった。ドニゼッティは、無難なオペラを書く人である。ベッリーニの方が、才能があるように思う。狂乱の場の音楽も、他の場面と変わらない。突然コロッと変わって狂気を出さないと面白くない。同じオカズの弁当を二時間半も食べ続けるようで飽きる。