ピエール・ブーレーズ 『死の家から』 101
101、『死の家から』 2013/6/2 初演:1930年4月12日 ブルノ国民劇場
レオシュ・ヤナーチェク(1854~1928)
ピエール・ブーレーズ(指揮) マーラー・チェンバー・オーケストラ シェロー演出
ジョルディ・カザルス(合唱指揮) アルノルト・シェーンベルク合唱団 2007年エクサン=プロヴァンス音楽祭
政治犯の囚人:オラフ・ベーア ダッタン人の少年囚:エリック・シュトクローサ 殺人犯:ステファン・マルギータ
司令官 :イエジー・スルジェンコ 耳の突き出た囚人:ハインツ・ツェドニク
頭の弱い囚人:ジョン・マーク・エインズリー 大男の囚人 :ペーテル・シュトラーカ 小男の囚人 : ヴラディーミル・フメロ
凄い、いいオペラであった。耳も目も、脳味噌も、大満足。シェスターコーヴィッチの真似をしている嫌いはあるが、よかった。
演出、舞台は最高。
3幕の自筆譜はまだ清書前で、しかもオーケストレーションは部分的に響きが薄くなり過ぎる程、室内楽的傾向をとっていた。そのため弟子のブルブノとバカラは未完成作品として、かなりの加筆修正を行った。その結果、オーケストレーションはより重厚でロマンティックな響きを持ち、冷徹な悲劇に立ち向かう連帯の力を表現した終焉は、楽観的な自由讃歌に書き換えられてしまった。初演はこの「ブルブノ=バカラ」版で上演されたが、ヤナーチェクの意図を外した改定は批判され、同じくチェコ出身の名指揮者ラファエル・クーベリックなどの手により見直しが進み、現代ではほぼ原曲に近い形で演奏されている。