『前田侯爵邸』の美
将軍家から姫君を迎え入れる三位以上の大名家は、敬意を表して赤い門を作ったそうです。
御主(守)殿門(ごしゅでんもん)と呼ばれます。
本郷東大の赤門は、13代斉泰(なりやす)に家斉の溶姫(ようひめ)を正室に迎えたときに作られた門です。
加賀100万石の大大名前田家は、明治の華族令で侯爵になりました。
本郷の前田侯爵邸は、隣接した東京大学の敷地拡張のあおりを受け、
東大駒場農学部実習地4万坪と交換することとなりました。
駒場公園の前田侯爵邸は、16代当主 利為(としなり)が竣工させたものだそうです。
昭和4年のことです。
洋館と和風邸宅の2つが残っています。
和風邸宅の大広間は、『真』の作りとなっており、非常に格式が高く、
昭和初期の貴族建築を目の当たりにしてくれます。
ここの茶室は、貸していただけるようなので、
いつかは『茶会』をしてみたいと、目論んでいます。
洋館は、映画『春の雪』にも使われていましたが、
戦前の貴族邸宅の面影が色濃く残っています。
個人的には、東京都庭園美術館になっている『朝香宮邸』より好きです。