ミゲル・デ・セルバンティスの『ドンキホーテ』
セルバンテスは、日本で言えば、戦国時代から江戸時代に移る頃と同時代の人である。
シェークスピアとも同時代の人で、同じ日に死んだと言われるが、それは間違っているらしい。
カトリックの暦(グレゴリオ暦)と、イギリスの暦は違うからだ。
ところで、セルバンテスが書いた畢生の大作『ドンキホーテ』であるが、
ボクは少し馬鹿にして読み始めた。
なぜか御伽噺の感覚を持っていたからである。
ところが、読み進めていくうちに、
「これは違う。何か偉大なモノを読んでいる気がする」と思い始めた。
主人公を襲う狂気の前提のもと、なんて捻った拘りが、
皮肉な語りぶりの中で、面白い奇想天外な物語として、すすんでいくのだろうかと、
ビックリした。
セルバンテスは、相当の知能を持った男であったと、想像できる物語である。
もっと突っ込めば、15世紀と言う大昔に、こんな偉大なセンスがあったのかと、驚かされる物語である。