2014年度の後半は 川端康成に浸った。
川端文学は、僕個人の思いでは、
高校生の頃の、いささか病的な、痛んだ心の琴線に、
よく和して響きあっていた世界だなぁ〜、となる。
あの頃は、川端の幻想的な映像世界に惑溺していただけだった。
が、今となれば、登場人物の、屈折した気持ちや行動を、よく理解でき、
またその理解の上に、過去と変わらず、幻想映像も楽しめるようになった。
それも、『魔』が根底に澱む、川端のデモニッシュな筆力に、
グイグイ引っ張られて、大人の気持ちや行動が理解できるのだ。
いい、読書の日々を、2014年の末に、過ごした。
『雪国』は、確かに美しい小説だが、若干、情景の説明過多なところがあり、
白けた。川端は、若い故に、力み過ぎている。
『山の音』は、素晴らしい。
小津安二郎は、この小説にインスピレーションを受けて、晩年の映画を作ったのではないだろうか。。。。