久しぶりの文楽 『冥途の飛脚』
朝、むかつくマンションの管理組合理事会があり、
悲しい物語を、太三味線と、思い入れタップリの太夫の声で語られると、
カタルシスで、スッキリするだろうと、いそいそ向かった。
若いころ、文楽に相当入れ込んだ時期があり、ある程度の出し物は観ている。
舞台を観て、ああこれも観たことがあるなぁ、と。
コンサートでも芝居でも、何でもそうだが、演っている人々の、
ノリノリがいい舞台に当たれば、幸運と言うもの。
これが映画と違うところ。
つまり生もの。
っで、この日がどうだったかと言うと、鳴かず飛ばず。
閑話休題。
近松は大昔の人だが、この何というか、物語にならない物語を、
ここまで見事に書き上げた才能。
凄い!
生活力、意思、分別、そんなもの一切持っていない、情けない、ただの色男の話なんです。
近松の世話物には、そんな男がよく出るが、これが実にいい。
このポスターの人形は、たぶん、曾根崎のお初だと思う。
また、閑話休題。
若いころ、文楽を観にいったら、
必ず大嫌いなオカマに遭ったものだが、あの子は根性がきつかったから、
そにれなり生きているだろなぁ~、
とフト思い出しながら、灌漑に耽った。
若いころ、一緒にワイワイやったオカマ達は、
みんな、消息不明になっている。
時々、「あれっ?」って思う人を見ることがある。
たいがい、安っぽい若作りをして、ゲッソリしている。。。。。