寺山修司、懐かしい!
高校生の時、故郷の町の、その隣の隣の町に、よく遊びに行っていた。
気の利いたモノは、その町でしか手に入らなかった。
その町は、その地域の中心地であった。
その町の、どこの本屋であったかまでは、覚えていない。
店頭に、『寺山修司 天井桟敷』の写真集があった。
白い背景に、奇想天外の写真が載った表紙。
僕は惹きつけられ、その写真集を買った。
そしてそれは、僕が大学を卒業するまで、ゴロゴロと身近にあった。
1月4日の暇な一日、30年ぶりに、寺山修司の映画を3本堪能した。
『さらば箱舟』『草迷宮』『田園に死す』の3本である。
僕が、同時代の空気をギリギリで吸った人間だからか、骨の髄に染み渡るほど、感動感心する。
次々に現れる奇想天外なシーン。オドロオドロしい、プリミティブな、情念とパワー。
計算された構図と色彩。
J.A.シーザーの音楽が、少し大き過ぎたのが残念なだけであった。
話は変わるが、家族写付きの年賀状は、感じだ。出すほうも、鈍感なのではないだろうか?
2014年度の後半は 川端康成に浸った。
川端文学は、僕個人の思いでは、
高校生の頃の、いささか病的な、痛んだ心の琴線に、
よく和して響きあっていた世界だなぁ〜、となる。
あの頃は、川端の幻想的な映像世界に惑溺していただけだった。
が、今となれば、登場人物の、屈折した気持ちや行動を、よく理解でき、
またその理解の上に、過去と変わらず、幻想映像も楽しめるようになった。
それも、『魔』が根底に澱む、川端のデモニッシュな筆力に、
グイグイ引っ張られて、大人の気持ちや行動が理解できるのだ。
いい、読書の日々を、2014年の末に、過ごした。
『雪国』は、確かに美しい小説だが、若干、情景の説明過多なところがあり、
白けた。川端は、若い故に、力み過ぎている。
『山の音』は、素晴らしい。
小津安二郎は、この小説にインスピレーションを受けて、晩年の映画を作ったのではないだろうか。。。。
2014年 大晦日
実家の母のもとで、今年も大晦日を迎えた。
中年、いや初老に近づいた息子でも、
手元でゴロゴロしているだけで、母性は活き活きと蘇るものだなぁと、
老母を見ていて、そんなふうに、思う。
そんな大晦日。
ものすごいヒマ。
中央公論の『日本の歴史Ⅰ』を読み、
平凡社の『別冊太陽 料理』を読み、
川端の短編小説を読んだが、まだヒマ。
そんなヒマにまかせて、大嫌いな作家三島由紀夫を描いた映画『MISHIMA』を観た。
監督 ポール・シュレイダー。
若松孝二監督の作品より、いい。
実は、映画『MISHIMA』を観るのは二回目。
最初、観たときは、変な映画だと思った。その時は、三島は好きだった。
今回観たら、演出の面白さも際立っていて、映画を面白く感じた。
ただ、三島は嫌いな今である。
話は、突然変わるが、今年は、
仕事がまあまあ、面白かった。
しかし、その仕事をしている会社の業績は、悪かった。
ただ、大企業なので、危機感がない。
一つの企業が没落していく様や気配とはこんなものか。
没落する組織の中にいる人間の心理とは、こんなものか。
かつて、会社が右肩のぼりに成長している時もあった。
そんな時は、無秩序であった。
今、没落していく時、秩序は整然としており、それゆえ、
身動きとれなくなっている。
不思議なものだが、没落とはこんなものだろう。。。。。
いい勉強になるが、語る相手がいない。
また、突然話は変わるが、
2014年、おセックスしたのは、二人であった。
その二人は、ウリセンで、お買い物した。
やはりおセックスは、面白くなかった。
僕と同じこの年齢の人でも、
おセックスが面白いと、口にする人がいる。
やはり、よく彼らの気持ちは、
分からない。
感動した名優、また名演技。 常に更新します。
ボクが観たなかで、気に入った演技を下に挙げますね。
演技ですからね。役者そものもではないですからね。間違わないでね。
嵌り役であっただけ、あるいは、偶々まぐれ、ってこと、よくありますからね。
1、映画
『どん底』山田五十鈴 中村雁次郎
『赤ひげ』杉村春子
『噂の女』浪速千栄子
『お琴と佐助』 田中絹代
『お早う』 三好栄子
『カルメン純情す』 三好栄子
『噂の女』 浪速千栄子 進藤英太郎
『炎上』 中村雁次郎 仲代達也
『鍵』 中村雁次郎 京まち子
『神々の深き欲望』嵐 寛壽郎
『地獄門』『山椒大夫』毛利菊枝
『浮草』 賀原(カハラ)夏子
2、テレビドラマ
『大河ドラマ 花神』 金田龍之介(毛利 敬親 / 慶親(もうり たかちか / よしちか)の役)
『大河ドラマ 新撰組』 藤木孝 (松平 忠敏(まつだいら ただとし)の役)
『大河ドラマ 新撰組』 藤原竜也:ボクは、彼の顔も嫌いだし歯並びが悪いから極力、正視しないようにしているのだが、演技は上手いと思っている。新撰組では、沖田総司役であった。その総司が、堺雅人の南方敬助が切腹するシーンでの介錯の動きに、物凄い気迫を感じた。
『大河ドラマ 真田太平記』 加藤 嘉かとう よし:大根役者か味のある役者か?この紙一重感が素晴らしい(矢沢頼綱の役)
『大河ドラマ 武田信玄』 小川真由美 (三條夫人の付き人 八重の役)
『大河ドラマ 翔ぶが如く』 新橋耐子(たいこ)(本寿院の役)
3、舞台
『伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば』の仲居 万野 坂東玉三郎
『魚屋宗五郎』の女房おはま 七世 尾上梅幸