建物
旧帝国ホテルを設計した、フランク・ロイド・ライトの作品。 彼の様式は、プレイリースタイルと言うらしい。 草原様式と、訳すのだそうだ。 扉や、窓の意匠が、飛び切り綺麗だった。 色調も、いい。
『斑鳩の里』と、のどかな言葉で呼ばれる法隆寺界隈は、飛鳥時代には最先端ビンビンの場所でした。 ところで斑鳩三塔の一つ国宝『法起寺』三重塔を、遠巻きに、民家の屋根から垣間見たときの感動は、今でも忘れられない。 震えるような感動とは、まさにあの…
鼻歌交じりに、細い坂道を登った記憶がよみがえります。 その坂道は、木立と小川に沿った山道で、風情はタップリでした。 ところどころに土産物屋があり、情緒を打ち消される景色もありましたけどね。 画像は、絵葉書でもおなじみの『極楽往生院』です。 厳…
『平野湟太郎 デザイン事務所』による『東京国立博物館 法隆寺館』は、 外装も内装も、非常に美しい。 大きなガラスのエントランと、その前の方形の池と通路も素敵だ。 絶妙なバランス。 ところでデザイナー平野湟太郎氏の『湟』の字について、一言。 大きな…
ジャン・ヌーヴェルがデザインした汐留の電通のビルは、すさまじく美しい。フォルムも、色も、その質感も。 そのグレーが滲んだ水色のビルは、どのような天気にも馴染んでいる。
ボクは、名勝地の視界画像が、ドラマを語っていなければ、満足できないのです。 視界のドラマとは、遠と近、直と曲、光と陰、躁と鬱、せめぎ合いです。 ところで『根津美術館』の建築デザイナーは、隈研吾(くまけんご)氏です。 このデザインで、毎日芸術賞…
明治神宮の森は、大正時代に行われた植樹によって、出来上がったものらしいです。 植樹される前は、畑などの平地(南豊島御料地)であったそうです。 さらにその前は、彦根藩井伊家の下屋敷でした。 ここの本殿・拝殿・回廊をはじめとして、大鳥居を含む建造…
北の丸公園の一画に、『東京国立近代美術館工芸館』がある。 この建築物の前身は、『近衛師団司令部庁舎』。 映画『日本のいちばん長い日』の舞台である。 レンガに、白い縁取り。 瀟洒であるが、やはりどことなく厳格で生真面目な建築だ。 重要文化財である…
修学院離宮 窮邃亭(きゅうすいてい)の内部。 ボクは、こういったシンプルで薄暗い空間が好きである。 御水尾上皇の創建当時のままの建築だそうである。 宝形造杮葺。 ところで、修学院離宮であるが、桂離宮などに比べると、以外や技巧のない庭園である。 …
将軍家から姫君を迎え入れる三位以上の大名家は、敬意を表して赤い門を作ったそうです。 御主(守)殿門(ごしゅでんもん)と呼ばれます。 本郷東大の赤門は、13代斉泰(なりやす)に家斉の溶姫(ようひめ)を正室に迎えたときに作られた門です。 加賀10…
手入れが行き届いている場所は、緊張感に包まれていて、 その緊張感だけで、言うに言われぬオーラーを発している。 掃除の行き届いた寺院にも、その緊張感がある。 と言うか、掃除ができていない寺院の坊主なんか、 神仏がイルイナイ前の問題として、相手す…
桂離宮の建築は、完全完璧な美を呈しています。 庭については、半分ほどはいいのですが、途中、手抜き処があることと、 こじんまりし過ぎていて、迫力に欠けます。 いずれにしても、建築については、陶酔的な美です。
姫路の郊外にある『書写山 圓教寺』には、全く期待していなかったのである。 奈良京都の大寺院や、壮大な城址を見てきたボクとしては、 山奥の見てくれだけの寺院が、そこにはあるのだろうと、高をくくっていた。 中谷と呼ばれている地区に『摩尼殿』と呼ば…
『神護寺』の片隅に、そこっと建っている『大師堂』。 これは、素敵な建築物ですよ。 大振りな杮葺きの入母屋千鳥破風が、真近にドンと迫ってきます。 でありながら破風の妻壁は、木連格子(きずれこうし)。それも実に繊細。 白い小壁の下にも、また格子。 …
ボクは、建築物一つだけを取り出して愛でることが苦手です。 苦手と言うか、満足できないのです。 ボクは、目に入った景色を、隅々まで鑑賞します。 ですから、『もみじ饅頭』と書いた幟などがあると、 視界から除外しようとしても剥がれず、半減どころか、 …
住吉大社に行ったのは、夏の早朝でした。 赤と白と、桧皮葺の茶色が、強い朝日に反射して、ギランと目に突き刺さりました。 その衝撃は強烈でした。 あの記憶が、色褪せることはありません。
『春琴抄』の舞台、道修町。 佐助は、自分の肩に手ぬぐいを置き、 春琴はその手ぬぐいの上に自分の手を置く。 春琴は、佐助に導かれて琴の師匠のもとへ通う。 そんな映像の幻影を追い求めて、 ボクは道修町を訪れた。 薬の問屋と思しきものは、今でも健在で…